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【2026年版】利益1,200万円の小規模法人で役員報酬を最適化する方法(東京都・社保2026年度料率対応)

#2025年 #シミュレーション #中小企業 #役員報酬 #節税

「今年の利益だと、役員報酬はいくらが妥当なんだろう…」 「夫婦で役員をしているけど、どう分けるのが一番お得なの?」

会社の利益が1,000万円を超える規模の会社の経営者の方から、こんなご相談をよくいただきますよね。

顧問税理士に相談する前に、ご自身でいくつかのパターンを検討しておきたい、という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんなお悩みを解決するために、具体的なケーススタディを通じて役員報酬の最適化プロセスをシミュレーション形式で解説します。

本記事は2026年分の所得税改正および2026年度(令和8年度)の社会保険料率(東京都)を前提としています。

この記事でわかること - 会社の利益1,200万円の法人モデルケース - 役員報酬の配分によって、手取り額がどう変わるかの比較シミュレーション - 会社と個人の総負担を最小化する考え方 - 無料で使えるシミュレーションツールの活用法

今回のモデルケース:斉藤さん(仮名)の会社

まずは、今回のシミュレーションの前提となる会社情報をご紹介します。

多くの中小企業に当てはまる、一般的なモデルです。

  • 会社形態: 合同会社
  • 事業内容: Webコンサルティング
  • 売上(年商): 3,000万円
  • 経費: 1,800万円
  • 会社の利益(役員報酬支払前): 1,200万円
  • 役員構成:
    • 夫(社長):45歳
    • 妻(専従役員):42歳
  • 所在地: 東京都
  • その他: 扶養親族なし、夫婦とも有報酬の場合に社会保険に加入(役員のため雇用保険は対象外)

斉藤さんの悩みは、「利益1,200万円を、夫婦でどう分けるのが一番手残りが多くなるのか?」という点です。

シミュレーションの前提条件(2026年度・東京都)

今回のシミュレーションでは、以下の条件で計算しています。

  • 健康保険料率(協会けんぽ・東京都): 9.85%(折半 4.925%)
  • 介護保険料率: 1.62%(折半 0.81%)※40歳以上65歳未満に適用
  • 厚生年金保険料率: 18.3%(折半 9.15%)
  • 子ども・子育て支援金率: 0.23%(労使各0.115%、2026年4月分から)
  • 子ども・子育て拠出金率: 0.36%(会社負担のみ)
  • 社会保険料の標準報酬月額上限:
    • 健康保険: 139万円(等級50)
    • 厚生年金: 65万円(等級32)
  • 所得税・住民税: 2026年分の基礎控除・給与所得控除改正を適用
  • 法人税等: 利益ゼロの場合、地方法人住民税の均等割のみ(東京都の小規模法人で年額約7万円を想定)
  • 賞与: なし
  • 端数処理: 円未満切捨て

保険料は2026年4月以降の月額×12の比較で、暦年の納付額ではありません。

所得税は2026年分の年税額(復興特別所得税込み)、住民税は同じ所得に対応する2027年度分を概算。

給与所得控除と改正後の基礎控除を適用し、住民税の基礎控除は43万円、調整控除は省略しています。

2026年の所得税改正は原則12月1日施行で、11月までの月次源泉徴収は従前の扱いです。

根拠は協会けんぽの2026年度保険料率と国税庁2026年改正です。

パターン1:報酬を社長(夫)に集中させたシミュレーション

まず、よくあるパターンとして、利益のすべてを社長である夫の役員報酬に設定した場合を見てみましょう。

  • 夫の役員報酬: 1,200万円(月額100万円)
  • 妻の役員報酬: 0円(無報酬で本人加入せず、夫の被扶養者の要件を満たす想定)

この場合、年間の社会保険料や税金の負担は以下のようになります。

(概算)

項目 金額(年間)
【個人負担】
社会保険料(夫) 約140.2万円
所得税・住民税(夫) 約206.3万円
【会社負担】
社会保険料(夫) 約143.0万円
法人税等 約7万円
【合計負担額】 約496.4万円

会社と個人の手元に残るお金は、約703.6万円(1,200万円 - 496.4万円)となりました。 報酬額が大きい分、個人の税率が高くなってしまい、負担が大きくなっているのがわかりますね。

パターン2:夫婦で均等に配分したシミュレーション

次に、利益1,200万円を夫婦で半分ずつ、600万円ずつに分けた場合を考えてみましょう。

  • 夫の役員報酬: 600万円(月額50万円)
  • 妻の役員報酬: 600万円(月額50万円)
項目 金額(年間)
【個人負担】
社会保険料(夫・妻 合計) 約180.0万円
所得税・住民税(夫・妻 合計) 約91.1万円
【会社負担】
社会保険料(夫・妻 合計) 約184.3万円
法人税等 約7万円
【合計負担額】 約462.4万円

なんと、合計負担額が約462.4万円に下がりました。 パターン1と比較して、年間で約34.0万円も負担が減っています。

結果として、会社と個人の手元に残るお金は、約737.6万円(1,200万円 - 462.4万円)となり、手取りが大幅に増えました。

両案とも報酬だけで利益1,200万円を使い切り、会社負担の社会保険料と均等割の原資が不足します。

会社の税引後残金はパターン1で-150.0万円、パターン2で-191.3万円。

実行時は報酬総額を減らして資金を確保してください。

配偶者への報酬は実際の職務・貢献に見合うことが前提です。

なぜ配分すると負担が減るシミュレーション結果になるの?

不思議に思うかもしれませんが、これは所得税が「累進課税」という仕組みだからです。

所得が高いほど税率も高くなるため、一人の所得を高くするより、複数人に分散した方が低い税率を適用できるのです。

今回のケースのように、所得を分散させることで、世帯全体での手取り額を最大化できる可能性が高まります。

特に2026年分の所得税改正(基礎控除・給与所得控除の見直し)により、手取り額への影響はさらに大きくなる可能性がありますね。

最適なバランスを見つけるには?

今回は「均等配分」を試しましたが、必ずしも均等がベストとは限りません。

社会保険料の等級の境目や、配偶者控除などを考慮すると、さらに最適なバランスが見つかることもあります。

「じゃあ、どうやって計算すればいいの?」と思いますよね。 この複雑な計算を、ご自身で何度も試すのはとても大変です。

そこで、役員報酬決め方ナビを使えば、会社の利益や役員の情報を入力するだけで、最適な報酬バランスを自動でシミュレーションできます。

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個人開発者・フリーランスが知っておきたい税務のポイント

役員報酬の最適化は法人成り後の論点ですが、個人事業主の方も知っておきたい税務のポイントがあります。

インボイス制度の経過措置を理解する

2023年10月1日から始まったインボイス制度ですが、登録していない事業者からの仕入れについても、一定期間は仕入税額控除が認められる経過措置があります。

  • 2023年10月1日〜2026年9月30日: 仕入税額相当額の80%控除可能
  • 2026年10月1日〜2028年9月30日: 仕入税額相当額の70%控除可能

この期間を有効活用し、ご自身の事業に合った対応を検討しましょう。

青色申告特別控除を活用する

個人事業主の方は、青色申告を行うことで最大65万円の特別控除を受けることができます。

  • 65万円控除: 複式簿記による記帳、e-Taxによる申告または電子帳簿保存
  • 55万円控除: 複式簿記による記帳
  • 10万円控除: 単式簿記による記帳

控除額を最大化するためにも、複式簿記での記帳とe-Taxでの申告を検討するのがおすすめです。

2026年分の基礎控除改正に注目

2026年分の年税額では、基礎控除と給与所得控除がさらに見直されます。

特に基礎控除は、合計所得金額に応じて104万円(合計所得489万円以下)、67万円(489万円超655万円以下)、62万円(655万円超2,350万円以下)となります。

給与所得控除の最低額は74万円です。

ご自身の所得状況に合わせて、控除額がどう変わるか確認しておきましょう。

まとめ:報酬の決め方一つで手取りは大きく変わる

今回のケーススタディでは、役員報酬の配分を見直すだけで、年間の手取り額が約34.0万円も増えるシミュレーション結果となりました。

  • ポイント1: 役員報酬は一人に集中させず、所得を分散させると有利なシミュレーション結果になる場合が多いです。
  • ポイント2: 所得税の累進課税や社会保険料の仕組み、そして2026年分の税制改正を理解することが重要です。
  • ポイント3: シミュレーションツールを活用して、自社に合った最適額を見つけるのが効率的です。

役員報酬は、一度決めると原則として一年間変更できません。

ただし、期首から3か月以内の定期同額給与の改定や、役員の職務内容の変更など、特定の事由が発生した場合には改定が認められることもあります(法人税法施行令第69条)。

決算前のこの時期に、ぜひ一度、ご自身の会社の役員報酬を見直してみてはいかがでしょうか。

ただし、最終的な報酬額の決定や税務申告については、必ず顧問税理士にご相談ください。

本シミュレーションは、あくまで意思決定のための参考情報としてご活用いただくものです。

免税事業者等からの仕入れに関する経過措置は、2028年10月から50%、2030年10月から2031年9月末まで30%です。

簡易課税や2割特例とは別の制度です。

出典は国税庁の2026年度インボイス改正。

計算機は2026年分の所得税・2027年度の住民税に対応し、社会保険料は2026年4月以降の料率を12か月分に換算した概算です。

実際の暦年の徴収額とは異なります。

法人税等は実効税率による近似で、2026年4月1日以後開始の12か月事業年度の防衛特別法人税を加えます。

本記事の計算例は記事内で再計算したもので、計算機の出力ではありません。

社会保険料は制度別に端数処理するため、記事の合算による概算と1円単位の差が出る場合があります。

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※ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断については顧問税理士にご相談ください。

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